BE:FIRSTに「口パク疑惑」再燃？真相と“生歌のリアル”が映す次なる勝負どころとは

なぜ今、「BE:FIRSTは口パク？」と囁かれているのか

2025年5月放送の『ミュージックステーションSP』出演後、SNSでは「歌ってなかった？」「音ズレしてた？」といった声が急増。BE:FIRSTへの“口パク疑惑”が再燃したのは、この番組出演がきっかけだった。

実は、こうした疑念は初めてではない。BE:FIRSTはデビュー当初から“ダンスと歌の両立”を掲げてきたグループであり、表現の完成度が高まるほどに「本当に歌っているのか？」という視線を浴びがちだった。

SNS時代では、パフォーマンス中の一瞬の違和感すら切り取られ拡散される。今回のMステSPでは、フォーメーションやカメラ演出の中での微妙な“音と口のズレ”が、「またか」と過去の記憶を呼び起こした形となった。

「めっちゃかっこよかったけど、あれ完全にリップシンクでは？タイミングが不自然だった」

「いや、現場音のモニター環境だとズレて見えるのあるある。普通に生歌だと思うけど」

ファンの間では「音響トラブルだったのでは？」という擁護も多く、断定的に“口パク”と結論づけるには時期尚早だ。

テレビや配信番組では、「声が違って聴こえる」「音源と印象が違う」といった違和感がたびたび話題になる。これは主に“テレビ音響”と“現場音”の違いに起因する。

テレビ放送では、ミックス・マスタリング・コンプレッサー処理などが施されており、声がクリアに整えられる。一方、生放送やライブ現場ではエフェクトが少なく、ブレスや息の揺れ、声の荒れまでダイレクトに伝わる。

BE:FIRSTのような複数人グループでは、メンバー間の声色が近く、ユニゾンやハモリも多用されているため、視聴者には“誰がどこを歌っているか”が分かりづらく、「本当に本人が歌ってるの？」という疑念を抱きやすい。

「ライブだと声が擦れることもあるけど、それがリアルで好き」

「音源と声質が違いすぎて別人みたいだった。ちょっと冷めた」

BE:FIRSTは、オーディション番組『THE FIRST』から誕生した実力派グループだ。ボーカル・ダンスともに高いスキルを持つ彼らは、「ライブで魅せること」に誇りを持って活動している。

しかし、激しい振付と安定した歌唱を同時に成立させるのは至難の業だ。限界ギリギリの表現を追求する中で、一部パートでリップシンクやサポートコーラスを入れる場面もある。

それは決して“ごまかし”ではない。あくまで音楽パフォーマンスの完成度を保つための選択であり、“今この瞬間の表現”に真摯であろうとする証でもある。

2024年末の『BE:FIRST ARENA TOUR 2024 “Mainstream”』横浜アリーナ公演では、ブレスや声の揺れも含めた“生々しい歌”が高評価を得た。「本物の歌」とは、“整っているかどうか”ではなく、“生きているかどうか”なのだ。

BE:FIRSTはこのジレンマに、毎回「更新」という形で応えてきた。歌い分けの工夫、トレーニングの継続、MCでの地声の発信──完璧よりも「伝わること」を優先した選択が、彼らの表現の軸になっている。

“口パク疑惑”は過去の話題で終わらない。BE:FIRSTは2025年後半にかけて、全国アリーナツアーに加え、アジア圏での海外公演が予定されている。

特にグローバル市場では、生歌への信頼が強く求められる文化圏も多い。オートチューンやリップシンクに厳しい目が向けられる現場では、どれだけ“リアル”な歌を届けられるかが試される。

つまり、次に焦点になるのは「BE:FIRSTは“生”でどう伝えるか？」という本質だ。そこに答えを出せたとき、彼らへの評価は疑念から確信へと変わるだろう。

そして、評価が分かれるということは、それだけ注目されているということ。そのプレッシャーすら、BE:FIRSTは“次の表現”に変えていくはずだ。

最終的に、視聴者が本当に求めているのは「本当に歌っているか？」という一点ではない。「そのパフォーマンスが心を動かしたか」「そこでしか聴けない声だったか」という体験の質こそが、アーティストにとっての本質だ。

BE:FIRSTはこれまでも、自分たちの音楽と向き合い、声と体を使って表現してきた。疑いを投げかけられることがあっても、それを跳ね返すような“本物”を見せ続ければいい。

「生歌かどうか」という問いは、BE:FIRSTのすべてを測るには小さすぎる。真に問われているのは、“何を届けたか”だ。

そして、次にそれを証明する舞台は、もうすぐそこに迫っている。